sIMG_0013

本来「POST」と表記されるべき場所に、「LETTER」と書かれています。

一般に「レターポスト」と呼ばれるもので、もちろんオモチャではなく、現役のポスト。長野県塩尻市の贄川(にえかわ)郵便局に設置されています。実はこれ、同様のものはこれを含めて日本国内に“3つしかありません。かなりのレアポストなのです!!

他には、香川県善通寺市と千葉県白井市に一つずつ。すごいレアなポストが、何の脈絡もない3つの地に存在していることもなんだか不思議ですね。ちなみに展示品となっているものなら、新潟県内にもあるらしく、現役稼働しているのが日本で3つということらしいです。

<スポンサード>

sIMG_0010
贄川郵便局

以前から、存在は知っていたのですが、いかんせん贄川という場所がなかなかマイナーで、行く機会が無く……。しかしこの度、松本市に用事があったので、わざわざコレを見るためだけに松本駅前でレンタカー(写真に写ってる軽自動車)を借りて、贄川まで来ることができました。

ナビに登録すると、松本ICから塩尻ICまで高速に乗るルートを告げられ、まんまと高速に乗せられた(普通は国道で走れば十分な距離)。ちょっと損した感があるけれど、レアなポストを拝むためなら全然良いのさ。

そんな、念願だったLETTERポストですが、来てみると小雨が降っていてカメラが濡れるものだから、写真を撮って早々に引き上げることに。夢にまで見た光景ほど、いざ目にすると呆気なかったりします。シンガポールでマーライオンを見た時の感覚と酷似していました(そう、あの時も雨が降っていた!)。

sIMG_0009
凛々しいLETTERポスト

元々このポストは、1949年(昭和24)に誕生した丸型ポスト(正式名称、『郵便差出箱1号(丸型)』)の試作品と言われています。

郵便事業が始まり、日本にポストが誕生したのが1871年(明治4)。当時は木で作られていて「書状集箱」と呼ばれていたそうな。それから時を経てポストには「POST」と表記されるようになり、鉄製のものになっていくのですが、物資が不足した戦時中はコンクリート製のものが設置されたのだとか。

そして、戦争が終わり、落ち着いた頃に生まれたのが『郵便差出箱1号(丸型)』という、通称丸型ポスト。その試作品として、1948年(昭和23)8月頃から1949年(昭和24)2月頃にかけて製造されたものには、LETTERと記され、そのいくつかが日本国内に設置されて稼働し始めたのだそうです。

sIMG_0011
ここから手紙を取り出すみたい

ただ、試作品も計画段階ではPOSTという表記だったらしいのですが、郵便事業用品改善委員会というものが開催されていて、そこに参加していたGHQ関係者が「表記は、LETTERかMAILにせよ」と指示したのではないか……(?)と言われています。

ただし、このあたりのことは古い議事録が幾つか残っているだけなので、ハッキリとはよく分からないまま。試作品の製造が終わり、丸型ポストが本使用になった時には表記がPOSTに戻っています。後にも先にも、日本のポストでLETTERという表記がされているのは、これだけ。

sIMG_0015
裏側はツルツル

sIMG_0014
取集時刻が直接印字されています

ポストの歴史って深いんですね。

ちなみに「贄川」という変わった地名ですが、元々は温泉が湧いていたので「熱川」と書いて、にえかわと呼んでいたのだそう。しかし、温泉が枯れた後、近くの神社で神事を行う際に『御贄(おにえ)』として、この地で捕まえた魚を差し出していたことから、御贄の贄をとって、「贄川(にえかわ)」と表記されるようになったのだそうです。

贄川郵便局の近くに、「贄川関所の跡地」があり、そこにいた係のおばさんに、地名の由来を教えてもらいました。



参考文献:戦後初の新規格郵便ポスト「1号丸型」の試作から完成まで(PDF)

このエントリーをはてなブックマークに追加
<スポンサード>

  
長野ウラドオリをご覧頂きましてありがとうございます。
Twitterのフォロー、feedlyの登録、Facebookページへのいいね!などをしてもらえれば、更新情報が届きます。今後ともよろしくお願いします。
 follow us in feedly

インスタグラム強化中!フォローお願いします! Instagram